
この記事を書いた獣医師
宮嶋 祐也(みやじま ゆうや)/獣医師
エルムペットクリニック院長/株式会社ユニバーサルブリス代表
神奈川・東京で動物病院グループを運営する獣医師。犬猫の診療を中心に幅広く対応し、TikTok(@catdoctoru)やYouTubeでも飼い主向けにわかりやすい情報発信を続けている。
シニア猫が24時間以上食べていないなら、今日中に動物病院へ連絡してください。ただし、受診前・受診後・投薬中のどの段階にいるかによって、今すぐ取るべき行動はまったく異なります。この記事では、食欲不振の原因の見分け方から、薬の選択基準・正しい投薬手順・副作用対処まで、獣医師の視点で段階ごとに解説します。
📋 今あなたはどの段階?
- A. まだ受診していない → まず「今すぐ確認」セクションへ
- B. 受診済み・薬を処方された →「薬の選び方」・「ミラタズ使い方」セクションへ
- C. 薬を使っているが副作用が心配 →「副作用対処」セクションへ
- D. 薬が効かなくなってきた →「次の選択肢」セクションへ
📋 目次
今すぐ確認|シニア猫の「食欲不振の危険度」チェック

食欲不振を「歳のせいかな」と様子見してしまう飼い主さんは少なくありません。しかし猫は犬と違い、短期間の絶食でも深刻な問題につながる生理的特性があります。まず危険度を正しく判断することが最初のステップです。
何日食べなかったら病院に行くべき?「24時間ルール」の医学的根拠
答えはシンプルです。丸1日(24時間)食べていなければ、その日のうちに動物病院へ連絡してください。猫は絶食が続くと体内の脂肪を急速にエネルギーとして動員しますが、その過程で肝臓に大量の脂肪が蓄積し「肝リピドーシス(脂肪肝)」を引き起こします。これは犬ではほとんど起こらない、猫特有の危険な病態です。脂質をエネルギーに変える代謝経路が犬よりも非効率なため、猫だけが絶食24時間という短い時間でこのリスクにさらされます。
緊急受診が必要な5つの症状
⚠️ 注意:以下のいずれかが見られる場合は、今すぐ動物病院に連絡してください。夜間・休日の場合は救急対応可能な病院を探してください。
- 嘔吐が続く・何度も吐こうとする
- 目や歯茎・皮膚が黄色い(黄疸のサイン)
- 口臭が急に強くなった(アンモニア臭・甘ずっぱい臭い)
- ぐったりして動かない・反応が薄い
- 1週間で体重が5〜10%以上急激に落ちた
「加齢のせい」と「病気のサイン」を分ける3つの判断ポイント
- 急な変化かどうか:食欲低下が数日以内に急激に起きた場合は疾患の可能性が高い
- 体重変化を伴うかどうか:毎週同じ時間に体重を測り、2週間で100g以上減っていたら受診を検討する
- 他の症状があるかどうか:嘔吐・多飲多尿・くしゃみ・口の中を気にする様子は疾患のサイン
🩺 獣医師のひとこと:「歳だから食欲が落ちても仕方ない」と思いがちですが、シニア猫の食欲低下の多くには治療可能な原因があります。加齢変化だけで食欲が著しく落ちることは実際には少なく、まず疾患を除外することが大切です。
シニア猫が食欲をなくす主な原因|加齢変化と疾患の二分類
食欲不振の原因を正しく把握することは、適切な治療につながる第一歩です。大きく「加齢による生理的変化」と「疾患由来」の二つに分けて考えましょう。
加齢による生理的な変化
高齢になると嗅覚・味覚が低下し、フードの匂いや味を感じにくくなります。また消化機能が衰え、胃の動きが遅くなることで「まだ満腹感がある」と感じやすくなります。これらは生理的な変化ですが、急激な食欲低下の主原因になることは少なく、多くの場合は以下の疾患と組み合わさっています。
見落とされやすい原因① 歯周病・口内炎
シニア猫の約80%が何らかの歯科疾患を抱えているとされています。口の中が痛くて食べたくても食べられない状態です。「フードに近づくが食べない」「片側だけで噛む」「食べながら顔を振る」といったサインが見られたら、口腔疾患を疑ってください。歯周病は外から見えにくく、血液検査でも分からないため、口腔内を確認できるのは歯科処置の際だけということも少なくありません。
見落とされやすい原因② 慢性腎臓病(CKD)
シニア猫の30〜40%に慢性腎臓病が発症するとされており、食欲不振はその代表的な症状です。腎機能が低下すると老廃物が血液中に蓄積し(尿毒症)、吐き気や倦怠感から食欲が低下します。多飲多尿・体重減少を伴う場合は早急に血液検査を受けてください。
「よく食べるのに痩せた」なら甲状腺機能亢進症を疑う
これは他の記事にはほとんどない、見落とされやすい逆パターンです。シニア猫の甲状腺機能亢進症では、初期に食欲が旺盛になるにもかかわらず体重が落ちていきます。この段階で見逃すと、進行にともない二次的な食欲不振が起きます。「よく食べているから問題ない」と思わず、痩せているなら受診サインと認識してください。
食欲不振は悪循環する――「疾患連鎖マップ」で理解する
歯周病・口腔疾患
↓ 口が痛くて食べられない
食欲不振・摂食量の低下
↓ 筋肉がエネルギーとして分解される
サルコペニア(筋肉量低下)
↓ 腎臓への血流が低下する
慢性腎臓病の悪化
↓ 腎臓から食欲抑制物質が分泌される
さらなる食欲不振へ
🩺 獣医師のひとこと:この悪循環こそが「食欲増進剤だけでは不十分」な理由です。薬で食欲を引き出しながら、原因となる歯周病・腎臓病・甲状腺疾患を同時に治療することが本質的な回復につながります。
放置するとどうなるか|肝リピドーシスとサルコペニアのリスク

「少し食欲が落ちているだけ」と様子を見続けることには、具体的な医学的リスクが伴います。早期対応がいかに重要かを理解してください。
なぜ猫だけが24時間の絶食で危険なのか
猫は犬と異なり、絶食時に体脂肪を急速に肝臓へ動員する代謝特性を持ちます。この過程で肝臓が処理しきれない脂肪が蓄積し、肝リピドーシス(脂肪肝)が発症します。進行すると肝不全となり、命に関わる事態に発展します。犬では同様の問題がほぼ起きないのに対し、猫では24時間という驚くほど短い時間でリスクが生じます。この生理的特性を知らずに「もう少し様子を見よう」と判断することが、命取りになりかねません。
1週間で始まる筋肉の衰え「サルコペニア」が招く二次被害
摂食量が低下すると、1週間程度で筋肉の分解(サルコペニア)が始まるとされています。筋肉が減ると基礎代謝が下がり、免疫機能も低下。さらに腎臓への血流が減少して腎臓病を悪化させるという悪循環に入ります。毎日同じ時間に体重を測り、2週間で100g以上減っていたら即受診を目安にしてください。「まだ食べているから大丈夫」という状況は、食べる量が著しく減っている場合には当てはまりません。
病院に行く前にできること|今夜から使える応急ケア
受診前の夜間・休日に「今できることをしたい」という飼い主さんへ、フェーズ別に整理しました。ただしこれらはあくまで応急処置であり、受診を先送りする理由にはなりません。
今夜できること(応急対応)
- ウェットフードまたは缶詰に切り替える(水分補給も兼ねる)
- フードを人肌程度(約38℃)に温めて香りを立たせる
- 食器を猫の顎の高さに合わせて調整する(首への負担を軽減)
- 静かな場所で、飼い主が近くにいて一対一で与える
- 少量を4〜6回に分けて与える(一度に大量に与えない)
明日の朝一番にやること
- かかりつけ動物病院に連絡・受診予約を入れる
- 昨日から今日にかけて何g・何回食べたかメモしておく
- 体重を測り、1週間前との比較をメモする
72時間以内に確認すること
- 丸1日(24時間)食べていなければ当日中に受診
- 嘔吐・黄疸・ぐったりが見られる場合は救急対応を検討
- 体重が急に落ちている場合は即日受診
シニア猫の食欲不振に使う薬の選び方【薬の選択フローチャートつき】

処方される食欲増進剤にはいくつかの種類があります。「どれが一番効くか」ではなく、「猫の状態・疾患・投薬しやすさ」によって選択が変わることを理解してください。
主な食欲増進剤の種類と特徴
| 薬の名前 | 投与方法 | 作用のしくみ(わかりやすく) | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| ミルタザピン(ミラタズ軟膏) | 耳介塗布 または 錠剤 | 脳の食欲スイッチを入れる薬 | 入院中の猫の80%以上で食欲増進効果を確認。軟膏なら錠剤が飲めない猫にも使える |
| エルーラ(カプロモレリン) | 液剤(経口) | 空腹ホルモン(グレリン)を模倣する薬 | 2020年FDA承認の猫専用食欲増進剤。慢性腎臓病(CKD)猫でのQOL・体重維持エビデンスあり。用量:体重1kgあたり0.1ml、1日1回経口投与 |
| シプロヘプタジン | 錠剤 | 抗ヒスタミン薬の副次効果として食欲増加 | 効果はマイルドで補助的な位置づけ。他の薬と比べると効果は限定的 |
| ジアゼパム | 錠剤・注射 | 鎮静作用の副次効果として短期的に食欲増加 | 猫への反復投与で重篤な肝不全リスクの報告あり。積極的使用は非推奨 |
【薬の選択フローチャート】あなたの猫に合う薬はどれか
猫が錠剤・液剤を飲めるか?
├─ はい → 慢性腎臓病(CKD)はあるか?
│ ├─ はい → エルーラ(カプロモレリン)を優先(CKD猫のエビデンスが強い)
│ └─ いいえ → ミルタザピン錠剤(コスト面でも優位)
└─ いいえ(薬を嫌がる・吐き出す) → ミラタズ軟膏(耳介塗布型)一択
衰弱が著しい / 軟膏も効果不十分な場合
→ 経管栄養(食道チューブ)の検討へ
ジアゼパムは積極的使用が非推奨な理由
⚠️ 注意:ジアゼパム(ホリゾン・セルシン)は猫への反復投与で重篤な肝不全を引き起こした事例が複数報告されており、現在の獣医学の専門家コンセンサスとして「食欲増進を目的とした積極使用は推奨しない」とされています。他の薬で対応できる場合は選択しないのが原則です。
腎臓病・肝臓病の猫へ薬を使うときに必ず確認すること
腎臓病・肝臓病を持つ猫は薬物代謝が遅く、通常量でも体内に蓄積しやすい状態にあります。「少しなら大丈夫」という自己判断は禁物です。獣医師が処方した量・間隔を厳守することが特に重要で、症状の変化があれば必ずかかりつけ医に相談してください。エルーラは慢性腎臓病の猫を対象とした研究データがある薬ですが、それでも量の調整は獣医師の指示に従ってください。
ミラタズ軟膏(耳介塗布型ミルタザピン)の失敗しない使い方
処方されたミラタズ軟膏を自宅で正しく使うための手順をステップバイステップでお伝えします。「なんとなく塗っている」方も、ぜひ一度確認してください。
塗る場所・量・タイミングの正しい手順
- 手袋を着用する:ニトリルまたはラテックス製の手袋を必ず着けてください。ミルタザピンは皮膚から吸収されるため、素手で触れると人にも成分が移行します。
- 耳介(ピナ)の内側に塗る:毛のない薄い皮膚部分(耳の内側の無毛域)に塗ります。外耳道(穴の中)には入れないよう注意してください。
- 量を守る:添付の実寸バーや獣医師からの指示量を厳守してください。多く塗れば効果が上がるわけではなく、過剰反応(興奮・夜鳴き)の原因になります。
- 左右交互に使用する:毎回同じ耳に塗ると皮膚が荒れる場合があります。左右を交互に使うのがおすすめです。
- 塗布後2時間は舐めさせない:エリザベスカラーを使用するか、塗布後に猫を抱いて耳を舐めさせないよう見守ります。
なお、ミルタザピン軟膏の投与間隔は近年の臨床では少量を1日おき〜毎日という方向に移行しつつあります。以前の「多量を数日おき」から変化していますので、かかりつけ医の最新指示を必ず確認してください。
素手で塗ってはいけない理由と手袋の選び方
ミルタザピンは経皮吸収性があり、素手で塗布した場合は飼い主にも成分が移行します。眠気・めまい・口の乾燥などが現れることがあります。手袋はニトリルまたはラテックス製を選んでください。薄手の使い捨てタイプが扱いやすく、ドラッグストアや100円ショップでも購入できます。
1人でできる投薬固定法「バーリトー法」
1人暮らしで投薬が難しいという声は非常に多いです。バーリトー法はバスタオルで猫を包んで体を固定する方法で、1人でも安全に実施できます。
- 大きめのバスタオルを広げ、猫を中央に乗せる
- 猫の体をタオルでしっかり包み、前脚・後脚が動かないようにする
- 後ろから膝の上に乗せ、体を自分の体で支える
- 頭だけを出した状態で耳介に素早く塗布する
嫌がるようになってきた場合は、塗布する時間を「食事の直前」にし、塗布後すぐに好きなフードを与えることで「薬のあとにいいことがある」と覚えてもらう条件付けが有効です。
なお、錠剤タイプの薬を処方された場合、お薬を包んで与えられる投薬補助トリーツ「RAKUSHITE(ラクシテ)」のようなアイテムを活用することで、投薬のストレスを大きく減らせることがあります。乳酸菌配合でリンを調整した設計のため、腎臓が気になるシニア猫にも使いやすいアイテムです。
副作用が出た・薬が効かなくなってきたら

薬を使う上で最も不安なのが「副作用」です。症状が出たとき、自己判断で中止してよいのか迷う飼い主さんがとても多くいます。判断基準を明確にお伝えします。
夜鳴き・興奮・徘徊が出たときの判断基準と病院に電話するタイミング
| 今日中に動物病院へ電話する症状 | 翌日の診察時に伝える症状 |
|---|---|
| ・激しい興奮・攻撃的になる ・止まらない夜鳴き ・体のふるえ・けいれん ・よだれが大量に出る ・ぐったりして動けない |
・少し落ち着きがなくなった ・いつもより夜に鳴く(軽度) ・食欲が増えすぎて嘔吐した ・塗布部位の皮膚が赤い |
自己判断での服薬中止・量の変更は行わないでください。急な中断が猫の体に悪影響を及ぼす場合があります。必ず獣医師に相談した上で対応してください。
薬が効かなくなってきた段階でできること
ミルタザピンとエルーラを試しても効果が見られなくなってきた場合、次の選択肢があります。担当獣医師と相談しながら、猫のQOLを最優先に判断してください。
- シリンジ給餌(経口強制給餌):注射器型のシリンジで流動食を少量ずつ与える方法。在宅で実施可能です。
- 食道チューブ(Esophagostomy Tube)の設置:首元から食道にチューブを設置して直接栄養を補給する方法。外科的処置は比較的短時間で済み、術後の在宅管理も飼い主が行えるケースが多く、想像よりも猫への負担は少ないです。
- 緩和ケアとQOL評価:「食べさせ続けること」より「苦痛を与えないこと」を優先する判断が必要になる段階もあります。痛みのサイン(うずくまり・鳴き声・攻撃性の変化)・活動量・表情をよく観察し、担当獣医師と一緒にQOLを評価してください。
🩺 獣医師のひとこと:食道チューブは「最後の手段」ではなく、猫が自力で食べられない期間を安全に乗り越えるための橋渡しです。基礎疾患の治療が軌道に乗れば、再び自力で食べ始めるケースも珍しくありません。諦める前に担当医に相談してください。
よくある質問
Q. シニア猫が食べない場合、何日で病院に行けばいいですか?
A. 24時間(丸1日)食べていない場合は当日中に受診してください。猫は絶食が続くと肝臓に脂肪が蓄積する「肝リピドーシス(脂肪肝)」を発症するリスクが急増します。これは犬には起こりにくい猫特有の危険で、急性の場合は命に関わります。嘔吐・黄疸・ぐったりを伴う場合は夜間救急も躊躇わないでください。
Q. ミルタザピン(ミラタズ軟膏)とエルーラはどう違うのですか?
A. ミルタザピンは脳の食欲中枢に直接働きかける薬で、錠剤または耳介塗布の軟膏(ミラタズ)があります。エルーラは「空腹ホルモン(グレリン)」の受容体を刺激する異なるメカニズムの薬で、2020年にFDAが猫専用食欲増進剤として承認しており、慢性腎臓病の猫でのQOL改善エビデンスが強いとされています。どちらが合うかは猫の状態・疾患・錠剤を飲めるかどうかによって獣医師が判断します。
Q. ミラタズ軟膏を素手で塗ってしまいました。問題ありますか?
A. ミルタザピンは皮膚から吸収されるため、素手で塗ると人間にも成分が移行します。眠気・めまい・口の乾燥などが起きる可能性があります。塗布してしまった場合は石けんと流水でよく洗い流してください。今後は必ずニトリルまたはラテックス手袋を使用してください。
Q. 腎臓病のある猫に食欲増進剤を使っても大丈夫ですか?
A. 使用できますが注意が必要です。腎臓病のある猫は薬物代謝が遅く、通常量でも体内に蓄積しやすいため、獣医師が処方する量と間隔を厳守することが特に重要です。エルーラは慢性腎臓病の猫を対象とした研究データがある薬で、担当獣医師に相談した上で選択肢として検討できます。
Q. 薬を飲ませると夜鳴きや興奮が出ました。続けていいですか?
A. ミルタザピンで起こりうる副作用です。軽度(少し落ち着きがない程度)であれば翌日の診察時に伝える形でも対応できますが、激しい興奮・止まらない夜鳴き・体のふるえ・よだれが多量に出る場合は当日中に動物病院に電話して指示を仰いでください。自己判断での中断も急な量の変更も避けてください。
Q. 薬を使っても食べない場合、次にできることはありますか?
A. あります。シリンジを使った流動食の給餌、食道チューブを設置して自宅で経管栄養を行う方法があります。食道チューブは外科的処置ですが猫への負担は想像より少なく、在宅で飼い主が管理できるケースも多くあります。「薬が効かない=諦める」ではありません。担当獣医師に次の選択肢を相談してみてください。
Q. 食欲増進剤はいつまで使い続ければいいですか?
A. 原因疾患の治療と並行して使用するため、期間は猫の状態によって異なります。基礎疾患が改善・安定し、自力で食事量が確保できるようになれば減薬・中止を検討します。自己判断での中止はしないでください。薬を止める際も必ず獣医師の指示に従ってください。
Q. 検査で「異常なし」と言われましたが、それでも薬を使っていいですか?
A. 検査で異常がなかった場合でも、加齢による嗅覚・味覚低下やストレスが原因で食欲が落ちることがあります。その場合でも食欲増進剤の使用は可能ですが、再度担当獣医師に確認するのが最善です。なお、血液検査1回で全疾患を除外できるわけではないため、症状が続く場合は追加検査の検討も推奨されます。シニア猫は6ヶ月に1回の定期健診が推奨されていますので、日頃からの定期検査が早期発見への近道です。
まとめ|シニア猫の食欲不振との向き合い方
シニア猫の食欲不振は「歳のせい」ではなく、治療可能な疾患が背景にあることがほとんどです。24時間食べていなければ当日中に受診、処方薬は量・間隔を守って正しく使う、副作用が出たら自己判断せず獣医師に相談する——この3点を徹底することが、愛猫の命と生活の質を守る最善の行動です。
薬の投与が難しくなってきたときは、RAKUSHITE(ラクシテ)のようなお薬を包んで与えられる投薬補助トリーツを上手に活用することで、猫と飼い主双方の負担を減らしながら投薬を継続できることがあります。
食欲不振の悪循環は放置するほど断ち切りにくくなります。「少し食べなくなったかな」と感じた早い段階でかかりつけ医に相談することが、愛猫の健康寿命を守る最大の近道です。不安なことはひとりで抱え込まず、かかりつけの獣医師に気軽に声をかけてください。あなたと愛猫のそばに、頼れる専門家がいます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断・治療行為を行うものではありません。症状が気になる場合は必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
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